肥満症とは、肥満に起因・関連する健康障害を合併するか、その合併が予測され、減量を必要とする疾患をいいます。
具体的には、BMI ※が25 kg/m2以上で、下記の健康障害を有する場合が肥満症です。
また内臓脂肪型肥満症の場合は、将来、健康障害の合併が予測されることから、下記の健康障害がなくても肥満症と診断されます。
肥満に起因ないし関連する健康障害(肥満症の診断に必要な健康障害)
※ BMIは体格の指標で体重(kg)を身長(m)で2回割った値です。
BMI = 体重 (kg) / 身長 (m)2
2024年2月に自己注射製剤であるGLP-1作動薬が初めて肥満症治療薬として発売されました。
このお薬での治療を受けるには以下の条件を満たす必要があります。
肥満症で高血圧、脂質異常症又は2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、以下に該当する場合に限る。
保険診療でGLP-1作動薬による肥満症治療を提供できるのは、以下のような条件を満たす「教育研修施設」に限定されます。
上記のように保険診療で肥満症治療が受けられるのは、実質的には総合病院であり、当院では保険診療は行っていません。当院では総合病院への通院が困難な方のためにGLP-1作働薬による肥満治療を自費診療で提供しています。
自費診療であっても、肥満症としての条件を満たした方のみが対象で美容目的や短期的な体重減少のみを目的とした使用、適応外使用は行っておりません。
当院で採用しているのはノボ ノルディスク ファーマ株式会社製のウゴービ皮下注と日本イーライリリー社のゼップバウンド皮下注アテオスです。それぞれオゼンピック皮下注、マンジャロ皮下注という名称で糖尿病の治療薬としても広く使用されています。(同じ成分です)
ご希望の方は医師の診察を受け、効果や副作用について十分な説明を受けたうえで、同意書にご署名いただきます。ウゴービ皮下注とゼップバウンド皮下注アテオスのいずれを用いるかは、担当医と相談して決めることになります。
用法及び用量(添付文書より)
通常、成人には、ウゴービ皮下注を0.25mgから投与を開始し、週1回皮下注射する。その後は4週間の間隔で、週1回0.5mg、1.0mg、1.7mgおよび2.4mgの順に増量し、以降は2.4mgを週1回皮下注射する。なお、薬の効果に応じて適宜減量する。最大投与期間は68週とする。
通常、成人には、ゼップバウンド皮下注アテオスとして週1回5mgを維持用量とし、皮下注射する。ただし、週1回2.5mgから開始し、4週間投与した後、週1回5mgに増量する。なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、週1回5mgで効果不十分な場合は、4週間以上の間隔で2.5mgずつ増量できる。ただし、最大用量は週1回15mgまでとする。最大投与期間は72週とする。
| 薬剤名・容量 | 1か月あたりの費用(税込) |
|---|---|
| ウゴービ皮下注0.25mgペン1.0MD | 16,000 円 |
| ウゴービ皮下注0.5mgペン2.0MD | 24,000 円 |
| ウゴービ皮下注1.0mgペン4.0MD | 36,000 円 |
| ウゴービ皮下注1.7mgペン6.8MD | 44,000 円 |
| ウゴービ皮下注2.4mgペン9.6MD | 60,000 円 |
※初回のみ指導料として4,000円を別途頂きます。
| 薬剤名・容量 | 1か月あたりの費用(税込) |
|---|---|
| ゼップバウンド皮下注2.5mgアテオス | 22,000 円 |
| ゼップバウンド皮下注5mgアテオス | 34,000 円 |
| ゼップバウンド皮下注7.5mgアテオス | 42,000 円 |
| ゼップバウンド皮下注10mgアテオス | 48,000 円 |
| ゼップバウンド皮下注12.5mgアテオス | 52,000 円 |
| ゼップバウンド皮下注15mgアテオス | 58,000 円 |
※初回のみ指導料として4,000円を別途頂きます。